グランドスタッフの仕事に興味があるけど、どんな人が向いているんだろう。
『グランドスタッフ 向いている人』などで検索して、このブログにたどり着いたそこのあなた。
グランドスタッフとして長年働いた経験がある筆者が、
『どんな人がグランドスタッフに向いている』
かお答えしましょう。
グループのリーダーとして部下をまとめて色々なグランドスタッフに出会いましたが、5年以上働く同僚には共通点がありました。
よく、接客業が好き、英語が話せる、海外に興味がある、空港が好きな人が向いていると言われますね。
それも間違いではありません。大切な要素です。
しかし私はそれらよりも、『○○がある人』が向いていると思っています。
- グランドスタッフに向いている人とは
- なぜそれが必要なのか
『接客業が好き』だけでは続かないよ~
どんな人がグランドスタッフに向いている?
『グランドスタッフに向いている人』と検索をかけると
- 人と話すのが好き
- 明るい
- 英語を使える
- 時間に正確
- 思いやりがある
- 体が健康
などがよく挙がっています。
まさにその通りです。
接客業なので人と話すのが苦手な人は、グランドスタッフに向いていません。
しかし上記以外にグランドスタッフとして長く働き続けるには、もう1つ重要なことがあります。
それが「体力」です。
私は体力がある人が、グランドスタッフに向いていると考えています。
そもそも体力とは?
「体力はありますか?」と質問されると、まずは身体的な体力を想像しますよね?
私もグランドスタッフの採用試験の時は、
「健康には自信があります、週に3回程ジョギングをしています!」
と堂々と答えた記憶があります。
でもグランドスタッフに必要な「体力」は身体的な体力よりも、もう1つの『体力』の方が大事だったりします。
そもそも体力とはなんでしょう。
色々調べてきたら、定義が出てきました。
体力とは、ストレスに耐えて、生を維持していくからだの防衛能力と、積極的に仕事をしていくからだの行動力をいう
健康長寿ネット
文章で書くよりも図の方がわかりやすいと思い、下のような図を作ってみました。
正式にはもっと細かく分かれていますが、大まかに分類して以下のような考え方にまとめました。
まず体力とは、身体的要素と精神的要素に分かれます。
身体的要素は、最も多くの人がイメージする
『運動する体力』を指します。
- 跳び箱を飛ぶ時の瞬発力
- 2時間歩きっぱなしでも元気な身体
- 階段を4階まで登れる身体
- 早起きができる身体
などですね。
また「風邪をひかない」「環境の変化に適応する」といった免疫や環境に適応する能力なども指しています。
旅行先でよく風邪を引く人は身体的要素の「防衛体力」がないってことね!
精神的要素はストレスに対する体力が1番想像しやすいかと思います。
- 上司の嫌味を受け流せる
- お客様からの理不尽な要求を受け流せる
- 1時間泣き続ける子供を対応できる体力
- 瞬時に物事を判断する力
などが挙げられます。
グランドスタッフの仕事は、この両方の体力が求められます。
では、具体的にどんな「体力」が必要なのか、グランドスタッフの仕事に当てはめて考えてみました。
身体的体力が必要な理由
グランドスタッフは、華やかそうに見える仕事ですがそれは見た目だけです。
勤務体系と仕事内容で、日々体力は消耗されていきます。
正直言って、身体的体力がないと仕事になりません。
グランドスタッフはこんな仕事
- シフト勤務
- 立ちっぱなし、歩きっぱなし
- 重たい荷物を運ぶ
- お客様のために走る
詳しく説明していきますね。
長く勤めたら、内勤も増えてくるので体は少しラクになる事も。
その代わり、精神的ストレスは増えた!
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シフト勤務
グランドスタッフやCAは、言わずと知れたシフト勤務。
その空港の運用時間や国内・国際の担当にもよりますが、基本のシフト体系は4勤2休です。
早番、早番、遅番、遅番、休み、休み、
早番、早番、遅番、遅番、休み、休み・・・
のパターンを取り入れている会社が多いです。
私が働いていた空港は、早番の時は5時半頃から勤務し、14〜15時頃まで働いて退社します。
朝が弱い子はよく寝坊していましたね。
目覚まし時計を時間差で数個セットしたり、少し離れたところに目覚まし時計を置いたりして工夫している子もいました。
遅番の日は、14、15時に出社して、23時頃に帰宅していました。
トラブルが発生すれば、明け方の2、3時に帰宅もありましたね。
たまに中番(9時や10時から勤務開始)の日や調整勤務で5勤もあります。
羽田や関空の国際線担当になると夕方出勤で朝に退社する夜勤もあるし、もっともっと体力勝負の仕事です。
でも長年働くとシフト勤務が好きになる同僚も多いのも事実です。
地方空港の方が空港の運用時間が決まっているので、シフトも緩やかです。
立ちっぱなし、歩きっぱなし
入社年次が若いほど、立ち仕事が多いです。
座って接客できるブースもありますが、基本は立ちながら接客をしています。
ゲート業務も、一便出せば次の便の準備をするためにゲート内を歩きます。
貸出をしたベビーカーや車イスを、所定の場所に戻すために歩きます。
終日ゲート担当の時は、1日1万歩以上歩くこともありました。
足は棒になりパンパンになるし、朝履いていたブーツが帰るころには履けなくなります。
ヒール靴で外反母趾になったり、足がつったり。
仕事後の足は臭いし、もう最悪でしたね。
帰宅後に、着圧レギンスを履いたりしてましたね。
プライベートでもたくさん歩く日は着圧レギンスを履いてます。
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浮腫みをほっておくと足が太くなるよ~
重たい荷物を運ぶ
受託手荷物の業務では、15 kg以上のカバンを持ちあげることがあります。
特に海外から来た外国人家族の荷物は重たい!
1つのカバンに、23kg近く荷物を詰め込んでます。
それを何個も受託するので、腰痛持ちのグランドスタッフも多く存在しています。
私も腰痛になりました…。
あとはお客様のペットも意外と重たいです!
大型犬をゲージに入れて仕分け場まで一緒に連れていきますが、その途中に段差がありゲージを持ち上げたり。
またジャンプ用のスキーや、サーフィンの板も長さがあって運ぶのに苦労しました。
どうしても無理だ!となった時は、貴重な男性グランドスタッフにお手伝いをお願いしていました。
お客様のために走る
締切時刻間際に来たお客様を飛行機に乗せるため、私たちは走ります!
入社年次が若い子ほど走っています。
30歳を過ぎるとさすがに体力も衰えます。
私もゲート業務の時に、乗り継ぎのお客様と一緒に走ることがありましたが
お客様の方が足が早かったです。
もう途中で全力で走るのは諦めて、
「このまままっすぐ○○番ゲートです~!」と伝えて
後から追いかけました。
ヒールで走るのには無理がある!(言い訳)
精神的体力が必要な理由
精神的体力が必要な理由は、接客業ならではの苦悩があるからです。
また会社に属すると、上司と合わなかったりすることもありますよね。
心がすり減ってしまい、休職や離職するグランドスタッフも実は多いんです。
グランドスタッフはこんな仕事
- お客様からのクレームを受けることが多い
- 上司と合わない
- タイムプレッシャーがある
では、グランドスタッフとしてなぜ精神的体力が必要か説明していきます。
お客様からのクレーム
接客業をしている上で、切っても切れないのが
お客様からのクレーム対応です。
だいたいはその日のうちに解決する案件が多いですが、まれに長期戦になりその人のことをしばらく思い出しては嫌な気持ちになることもあります。
ご意見を言われるのはいいのですが、どう考えてもこちらに落ち度がないクレームを永遠と言われるのが大変でしたね。
また天気に左右されるので、こちらとしてもどうしようもできないクレームを受けることも多いです。
責任者として対応する場合、どんどん話の論点がずれていってしまう人もいて、
結局自分の日頃のストレスをここで発散してるだけじゃん!
と感じる嫌なお客様もいました。
家庭のストレスを持ち込むな!ホント器の小さな人間ね。
新人グランドスタッフは、クレーム対応後に泣いてしまうこともあります。
精神的ストレスの多くの原因は、お客様とのトラブルです。
上司と合わない
部下は上司を選ぶことができないので、自分とは合わない上司の下で働かざるを得ないことがあります。
お客様からも理不尽なことで怒られるし、上司も頼りないし。
お客様とはその場でお別れしますが、上司とはその後も付き合っていかなければなりません。
上司は口ばっかりで仕事はしないし、何かトラブルが発生して管理職に対応してほしい時に限っていなくなるし、本当に最悪だな…と思ったこともあります。
私も新入社員の時に色々とありましたね…。
タイムプレッシャーがある
グランドスタッフは「時間とのたたかい」という場面が幾度となく訪れます。
CAは決まったフライトタイムの中で時間配分を考えてサービスをしていますが、グランドスタッフはその日の全ての出発便を管理しなければなりません。
同時刻に出発する便が3便重なることもあります。
カウンターや検査場には、10時30分発の予約を持っている人もいれば13時の予約を持った人もいます。
大勢の中から、出発時刻を迫った人を見つけ出して乗り遅れしないようサポートをします。
10時の沖縄行きで検査場を通過していない人は、あと10人だから9時半になったら優先レーンでご案内しよう。
まれに飛行機に持ち込みできるか不明なものを持ってくる人がいて、グランドスタッフが対応をすることもあります。
そのお客様が出発便に間に合うよう調べたり、場合によっては製造会社に連絡を取ったりと、限られた時間の中で対応を完結させなければなりません。
またグランドスタッフの最高責任者になると、直前に飛行機が欠航した場合など、瞬時に対応方法を決めるよう言われることもあります。
現場で働く係員からも問い合わせが入るので、
とても忙しい!
常に逆算して行動できるマルチタスクな人間ほど、グランドスタッフに向いているかもしれませんね。
次便は空席が少ないから上級会員用にして・・・、あとは翌日以降に変更か地上交通か…。欠航のアナウンスは、何時に?あーー忙しい!!!
体力維持のためにしていたこと
そんな身体的にも精神的にも体力が必要なグランドスタッフの仕事ですが、体力や体型維持のため、またストレスをためこまないように何かしら努力をしている人が多かったです。
今回は、私が意識して実施していたことを紹介します。
朝は何か口に入れる
早番の時はしっかりとした朝ごはんを作る余裕がなかったので、簡単に食べれるヨーグルトやフルーツなど、何かしら食べてから出勤しました。
私は空腹だと頭の回転が悪くなるタイプです。
判断を誤ったりすると大きなミスに繋がるので、朝は糖分を中心に摂取してから出勤していました。
しっかりと睡眠をとる
早番の後はぐっすりと寝れますが、
休み→早番の時は、寝つきが悪い!
これCAやグランドスタッフあるあるでしょうね。
次の日早番だから、早く寝ないと…と、思って横になりますがなかなか寝れません。
ホットアイマスクを使ったり、呼吸を整えたり、寝れるツボを押したりと色々と試した結果、私にはアロマが合ったのでそれ以降よく寝れるようになりました!
一時期大人気で品薄でしたよね。
その頃に買って、仕事をやめた今でもスプレータイプのものを使っています。
しっかり寝れたら体力も回復するし、頭もすっきりリセットされますよね。
身体を動かす
当時はジムに通っていました。
バックオフィスの業務も増えて、太ってきたのでダイエット目的で休みの日に行ってましたね。
あとは天気の良い日に近所を散歩して、カフェでのんびりしたり。
身体を動かすと思考がクリアになるタイプなので、意識して身体を動かしました。
そして心身ともにリフレッシュできました。
ホットヨガの体験も同期と行きましたね。
ヨガをしたあとは、たくさん汗をかいてものすごくすっきりしました。もう最高です。
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ヨガに通いたかったけど、場所が遠くて断念した。
マインドをコントロールする
何件ものクレーム対応を経験しましたが、引きずってしまうことがあります。
せっかくの休みなのに、あの時のお客様の顔が浮かんで落ち込んだり、嫌な気持ちになることもありました。
でも、ある日気づいたんです。
嫌な人のことを考えている、その時間、もったいない!
考えても無駄だし、自分のテンションが下がる思考はプライベートでは考えないことにしました。
自分を癒したり、ワクワクや楽しいと思えることに全集中することに。
『自分の機嫌は自分でとる!』と決めて、いつでもご機嫌にいられる思考を意識しました。
この思考はママになった今でも役立ってます。
読んでてなるほど!たしかに!となる本
まとめ:『グランドスタッフは心も身体も体力勝負の世界』
どんな人がグランドスタッフに向いているか考えた時、『メンタル面でも体力がある人』と言うのが私の答えです。
そしてグランドスタッフは、体力勝負ということをご理解いただけましたか?
- 「体力」とは、身体的要素と精神的要素があり両方の体力がある人が向いている
- グランドスタッフの仕事は、シフト制で立っぱなしで走ったり重い荷物を持つ
- グランドスタッフはクレーム対応やタイムプレッシャーなど精神的負担も多い
- メンタルが強い人ほど、グランドスタッフに向いている
- 接客業が好き、人と話すことが好きなどの要素も大切
個人的には身体的体力よりも、
こころが健康であること
つまり精神的体力が1番大切なのではと思ってます。
心が健康でないと、身体まで影響しますからね。
メンタルの強さに自信がなくても、頭と心の切り替えができたり前向きな性格だと入社しても続けられると思います。
グランドスタッフのみならず、どんな会社でも多かれ少なかれストレスが発生する場所です。
自分はどんな時にストレスを感じやすいか、どうしたらリフレッシュできるかを研究してみてくださいね。
気のあう仲間と旅行をするのが最大のリフレッシュ!
わかる!いつもと違う空間に身を置くのもいいよね!
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