今日は飛行機が遅れたり、欠航する理由の1つである、
「機材繰り」についてお話しましょうか。
- 機材繰りの意味
- 機材繰りが起こる理由
- 機材繰り時の補償
- 乗員繰りについて
機材繰りって何?

飛行機が遅れる理由として、多いのが機材繰り。
「機材繰り」と言う言葉の意味を、分かりやすく説明出来る新人グランドスタッフは、少ないわ。
お客様からも「分かりずらい」とご意見を頂いた事もあり、アナウンスでは使用する飛行機の手配がつかない為と、工夫して伝えている空港もあるのよ。
機材繰り=使用する飛行機の手配や調整が出来ない
という事です。
なぜ機材繰りが起こるの?

代替の飛行機が用意出来ないからよ。
例を挙げて説明してみるわね。
飛行機のパターンが、
①福岡→新千歳
②新千歳→羽田
③羽田→伊丹
とします。
①福岡→新千歳のフライトの際、新千歳空港が大雪でなかなか降りれず到着が遅れたとします。
すると、②新千歳→羽田は使用する飛行機が、新千歳空港が大雪の為、到着が遅れているとアナウンスをします。
まぁここまではよくある事ですわ。
問題は、③の次のフライトです。
③羽田→伊丹のフライトは、このままの機材だと遅れます。
なぜ遅れるか?
それは新千歳空港が雪だから!
え、それってこれから伊丹に行く人には、関係ないですよね?
航空会社も、機材のアレンジをします。
そして、②新千歳→羽田の機材より早く到着しそうな機材を使って、運航することにしました。
しかし、その飛行機を使っても③羽田→伊丹は遅れてしまうのです。
=機材繰りで遅れるに繋がります。
これが機材アレンジをした結果、定刻で出発出来るのであれば、機材繰りにならずにすみます。
このように飛行機のダイヤを組んでいる部署も、遅延を最小限に出来るようにアレンジをしています。
羽田なら、スタンバイの機材と乗員がいるのでアレンジがしやすいの。
でもLCCなどはそもそもの保有機が少ない為、難しいのが現実です。
機材繰りで遅れて就航できることもあれば、飛行機の手配が出来なくて欠航することもあります。
飛行機は、全国各地を飛んでいます。
同じ飛行機が福岡⇔東京を終日飛んでいるわけではありません。
保証は?
ANAやJALなど大手航空会社は、保証がある場合があります。
その時の状況に応じてなので一概には言えませんが、
機材繰りで1時間以上遅れた際は、当日出発地空港で使える1000円分の飲食券を配布したりしています。
残念ながら、LCCは保証がないんです。残念だわ。
予約の変更は可能?
遅延の定義が15分以上の遅れです。
そのため15分以上出発が遅れた場合ですと、ANAやJAL、あとは地域密着型航空会社(ソラシドやエアドゥなど)は、機材繰りで飛行機が遅れる場合は、前後の便に予約変更が可能です。
もちろん、払い戻しも手数料なしで可能よ。
番外編!機材だけではなく、乗員繰りもある。
まれに乗員繰りということもあります。
名前の通り、パイロットやCAの手配出来ないという事象です。
ANAやJALには東京と大阪には、スタンバイのパイロットやCAがいる場合がありますが、その他の地域にはいない事が大半です。
そのため、地方発の便で乗員繰りが起因で飛行機が遅れる事象が発生することがありますね。
なぜ乗員繰りが起こる?
1つは、乗務予定のパイロットやCAの体調が悪くなった場合です。
人間だもの、体調が悪くなる時だってあるわ。
しかし私が勤務していた頃は、体調不良で乗員繰りはほぼ無かったわ。
もう1つ乗員繰りが起こる理由として、運航する飛行機と乗務員のスケジュールは一致しない事があります。
その為、飛行機はあるのに、運航乗務員がいない!
=乗員繰りという事が起きます。
飛行機のスケジュール
①羽田→沖縄(JA717A)/②沖縄→伊丹(JA717A)
※②を乗務するパイロットは沖縄にいる。
パイロットのスケジュール
①羽田→沖縄(JA717A)/③沖縄→羽田(JA712A)
③の飛行機は沖縄にあり、飛行機の乗り換えが発生。
上記の場合、
①の羽田→沖縄が遅れた場合、②の沖縄→伊丹は飛行機の到着が遅れているので、遅れます。
③沖縄→羽田は、飛行機は沖縄にあるのに、乗務する人は①に乗っているので遅れる!
ということが起きます。
もちろんCAも同様に、このような事が起きます。
LCCなどは、乗員繰りで欠航!という事もありますが、JALやANAの場合は、遅れる事も考慮をして、ゆとりを持ったスケジュールを組んではいます。
当日の急遽のスケジュールチェンジも、ありなんです。
しかしながら、パイロットやCAもシフト制ですし、そう簡単にスケジュールを変えられないのも事実。
航空会社も最大限の努力をしていますので、ご承知を。
まとめ:『機材繰りは、企業努力である』

飛行機を欠航させないために、飛行機や乗員をアレンジをした。
だけど遅れてしまった。
それが機材繰り、乗員繰りになるのよ。
- 機材繰りは、飛行機のスケジュールをアレンジした結果起こる
- 機材繰りで15分以上遅れたら、手数料なしで振替や払い戻しが可能
- CAやパイロットのアレンジがつかない場合、乗員繰りもある。