働く上で大切にしたいこととして、プライベートの時間がどのくらい確保できるかではないでしょうか?
年間にどのくらい休みがあるのか、有給は取りやすいのかなどを実際に働いている人から教えてもらいたいですよね。
そこで今回は、グランドスタッフを含む空港で働く人の勤務体制についてお話します。
- グランドスタッフの年間の休みについて
- 有給の取れやすさについて
- 休日出勤や残業について
空港で働く人は、主に航空会社のグループ会社や総代理店に属しています。
会社によって公休数など多少の違いがありますが、基本的な考え方は同じです。

グランドスタッフ経験者の話をまとめました
グランドスタッフは年間どのくらい休めるの?
グランドスタッフは、年間約115日~120日の休みが与えられています。
この休みの中には季節休暇の4日も含まれているグループ会社が多く、公休116日+季節休暇4日で120日の休みになっています。
月で換算すると、1ヵ月で9~10日休めることになります。
2023年までは公休数が少ない会社も、2024年度からは公休数を120日前後に増やす会社が増えました。
航空業界は休みが少ないイメージがあるかもしれませんが、毎年働き方の改善に努めています。



地方の空港代理店だと、公休数が少ないことも。
グループ会社と代理店の違いは、こちらの記事を参照してください
GWやお盆、お正月は休めない?
一般的に人の流れが多い時期に、有給を取ることは難しいです。
しかしグランドスタッフはシフト制なので、シフト上休みと重なるがあります。
その時は休むことができますよ!
4日勤務をして、2日休みの4勤2休でシフトを組んでいる会社が多数です。
また季節休暇をGWやお盆、お正月に合わせて取得する人もいます。
この場合、取得できる人の枠に限りがある場合が多いので先輩が優先だったりします。



家族持ちの人は、家族の予定に合わせて年末年始に季節休暇をとっていましたね。
有給の取れやすさについて


年次有給休暇の取得日数は法律で決まっていて、勤続年数によって付与される日数が変わります。
一般的に6年6ヶ月以上働いている場合は、1年に最大20日間の有給がもらえます。(時効は2年)
ではグランドスタッフはこの有給をどのくらい使えるのでしょうか?
結論は、グランドスタッフは有給が取れにくい環境と言えるでしょう。



働いている空港によって、有給の取れないレベルが変わってきます。
一般的にはベテランになればなるほど、簡単に有給は取れない傾向にあります。
有給取得可能数が決まっている
グランドスタッフはシフト制なので、全員が好きな日に休めることはありません。
その日に対して有給取得可能枠が決まっています。
この枠は平日は多く設定されていて、休日は取得可能枠が0の場合もあります。
また人事異動がある時期や、季節休暇を取得している人が多い場合も、有給取得可能枠が0になることも。
有給の取り方
私が働いていた会社では、例えば5月のシフトを作る場合は4月頭に5月の仮シフトが発表されます。
どこが公休なのか、どこに訓練があるのかなどがこの時点でわかります。
この時に有休のリクエストを募集します。
そして有給取得可能枠に対し、希望者が多い場合はシフト作成者がその人達の有給取得率や持っている社内資格を考慮して有給が取得できる人を選定していました。
違うグループ会社では有給希望日が重なった場合、当事者同士で話し合って決めることもあると言っていました。
そして、4月下旬に待ちに待った5月の本シフトが発表されます。
その時に有給取れた〜と歓喜する人と取れなかった人の落胆がすごかったです。



本シフトが前月の28日とかにでることもあった!遅すぎだよね。
公休をずらしてほしくない
仮シフトが出て、希望の日が公休だったとしましょう。
それでも本シフトが出た時に公休が出勤日に変わることもあります。
私が働いていた会社は、仮シフトが出た時に申告をすれば公休をずらさないように調整してもらうことができました。
シフトが出た後に、勤務や休みを変更したい
シフトが出た後に、勤務や休みを交換できる会社もあります。
この場合、当事者同士の合意が必要です。
また勤務間インターバルが確保されているのか、同等の資格を保有しているのか、1日の勤務時間は同じなのかなどの確認もされます。
公休前の遅番を中番に変えて、仕事終了後に飛行機乗って旅行をする人などは、この制度を使うことによって観光できる時間が増えますよね!
冠婚葬祭は取れる
冠婚葬祭がある場合、有給を使って休みにすることができます。
しかし人手不足の場合は、有給ではなく公休にされますけどね。
冠婚葬祭を公休にされると、シフトが乱れることがあります。
4勤2休のリズムが乱れて、3勤1休、5勤2休になったり。



冠婚葬祭くらい有給にしてくれよ
勤続年数が短い人ほど、有給は取れる
新入社員ほど有給が取れます。
新入社員のできる仕事は、ほとんどのグランドスタッフができる仕事です。
以前、どこでもいいから有給が欲しいと5個のリクエストを出していた新人は全ての有給が取れていて、元々付与される数も少ないのに取れすぎて大丈夫?心配に思ったこともありました。



当日風邪で休んだら有給から使われますが、有給がない場合「欠勤扱い」になります。欠勤はボーナスに響いてきますよ。
そして勤続年数が長いほど、有給は取れにくくなります。
特に各セクションの責任者クラスは、当該資格を持っている人が少ないため、なかなか希望通りに休めません。
有給付与数も多いのに、有給が取れないと嘆いている人をたくさん見てきましたね。
残業や休日出勤はどうなってるの?


グランドスタッフの休日出勤や残業はどうなのでしょうか?
プライベートを充実させるには、定時に退社したいですし休日に呼び出されたくないですよね。
残業について
グランドスタッフの残業は、少ない傾向にあります。
平均すると月に10時間未満です。
残業になることが多い出来事
- 便が遅れている
- 空港の天気が悪い
- 人員が不足している
- トラブル処理
いわゆる『イレギュラー』が起こった場合、1日に2~3時間、長くて5時間残業をすることがあります。
私もイレギュラー時に遅番責任者のポジションで、便の出発後に翌日用に引継ぎを残したりと……色々しているうちに明け方になって帰宅したことがあります。
インチャージと呼ばれるグランドスタッフの最高責任者の日は、部下が全員仕事が終わるのを手伝ってから帰宅してましたね。



責任者になると残業が20時間以上になることも。
信じられないくらい残業することもあれば、何もなければ就業時間にさっと帰宅することができます。
残業代はしっかりでますので、ご安心を。



天気が悪そうな日は、仕事後に予定を入れない。
もしくは前日に「明日、行けないかも」と伝えていました。
休日出勤について
休日出勤はほとんどありません。
私も10年以上働いていましたが、呼び出されることは1度もありませんでした。
休日出勤をさせる場合の呼び出しの順番があり、管理職や勤続年数が長い人から呼び出すことが多いです。
シフト決定後に公休日の変更
休日出勤はありませんが、欠勤調整などで公休日を変更する場合があります。
特に地方空港は限られた人数でハンドリングをしているため、人手不足になります。
インフルエンザになったなど何日間か休まないといけない人が出た場合、公休日を変更してほしいと上司に言われることもあります。
まとめ:『グランドスタッフは、世間の人が休んでいる時に働く』


グランドスタッフの休みや有給の取れやすさ、残業についてまとめました。
平日休みは空いている場所が多いですが、土日休みの友人と休みが合わせにくいのが難点です。
そして有給は取れにくい環境ですが、年に1回ある季節休暇を上手く利用して海外旅行をする同僚もたくさんいます。
季節休暇は4日ですが、公休と合わせて8連休にしたり、公休+有給4日と合わせて12連休にできる会社もあります。



私も毎年この連休を利用して海外旅行をしていました!
社員が働きやすいようにと、毎年制度を変えて行っているグループ会社がほとんどです。
公休を増やしたり、給料のベースアップをしたりとコロナで退職者が増えた分、今働いている人やこれから働く人を大切にしていこうとする企業努力を感じます。
空港は365日稼働しているので、どうしても大型連休は休みにくい傾向にあります。
ただ年末年始出勤手当などがある会社も存在します。
公休数は一般企業と同等なので、あとは給料がもっと上がれば嬉しいですね!
こちらの記事もどうぞ