飛行機の席を予約したのに、空港でチェックインしたら席が変わっていたなんてことはありませんか?
私も娘と帰省の予約をした際、座席変更のお知らせメールが届いたことがあります。
事前に予約した席は1番後ろの窓側席にしていましたが、メールでは中間あたりの窓側席。
私のこだわりは窓側席ではなく、とにかく後ろの席に座りたい。
このように航空会社側の事情により、予約した席とは違う席になることがあります。
私が空港で働いていた時に、お客様から
『予約した席とチェックインした席が違う』と言われたこともあります。
では、一体なぜ勝手に変更になるのでしょうか。
その時、どうしたらよいのでしょうか。
空港のグランドスタッフで働いていた筆者が、その疑問にお答えします。
減便が増えたころは、頻繁に機種変更に伴う座席変更があったわ。
そうよね。
私も減便時に乗ったから、機種がB787からB737に変更になったよ。
なぜ席が勝手に変更されるのか
数か月前から楽しみにしていた旅行。
飛行機の予約と席もこだわって取ったのに、搭乗の5日前に座席変更のメールがきた…。
しかも、窓側から通路側に変更!?!?
は?何で?窓側がいいんだけど。
ご希望に添えず、大変申し訳ございません。
ではなぜ勝手に座席が変わってしまうのでしょうか。
使用する飛行機の機材を変更したため
1番多い原因は、この機種変更に伴う座席変更です。
なぜ機種変更をするかというと、大まかに以下のような理由があります。
- 使用予定の機材に不具合箇所が見つかった
- 予約のお客様が少ないので、小型機に変更した
- 使用予定の飛行機を、他の路線で使用したい
- 使用予定の飛行機が遅れているので、スタンバイ機である他の機材で運航する
予約した便とは異なる機材を使用し運航するので、座席の配列や座席数も変わってきます。
そのため予約した席から勝手に変わってしまうのです。
減便時は小型機で運行することが多かったですね。
GWやお盆などは、小型機から大型機へ変更することもありますよ。
大型機への変更は、選べる席が増えるからいい!
予約した席が使えなくなったため
座る予定の席が、嘔吐や濡れて使えなくなったり、テーブルなどが壊れて使用できなくなった場合、予約した座席を変更する場合があります。
飛行機は1日に全国各地を回っているので、どこかの段階で座席が汚れたりパーツが壊れたりすることがあります。
到着後に修復できればいいのですが、時間やパーツがない場合は座席をブロックして使用できないようにします。
この場合は当日急遽、席の変更が必要になります。
係員が勝手に変更することもありますが、基本的にはお客様を呼び出して変更したい理由をお伝えした上で席の変更操作をしています。
飛行機のバランスが悪いため
飛行機が安定して飛ぶためには、バランスが重要です。
特にお客様に関係しているのが、重心バランス(飛行機の前後のバランス)です。
簡単に言うと、お客様が前方席ばかり座っていたら飛行機の頭が重くなるし、後方席に集中していたらお尻が重くなります。
貨物の搭載位置で調整もしますが、それでもバランスが悪い場合はお客様の席を変更して対応します。
この場合も当日の座席変更のため、基本的にはお客様を呼び出して変更したい理由をお伝えしています。
プロペラ機は特にバランスが悪くなりがち!
お客様からの要望
お客様からの要望で、座席の変更する場合があります。
よくあるのが、子供連れの家族の座席調整です。
特に小さなお子様連れの家族の席が全員離れていた場合は、調整をすることがあります。
家族全員は難しい場合でも、小さな子供+母親だけなどは連席で用意するように努力しています。
3歳の子供が、機内で1人で座るのは心配よね
チェックイン時に連席を用意ができない場合があるので、後ほど元々の席→連席へ調整をかけて勝手に変更をします。
座席の調整が終わった後は、搭乗口で新しい座席番号をお客様にお伝えしています。
座席変更の操作は、誰がしているの?
座席変更の操作は、システムによる自動振替で実施しています。
システムが自動的に席を割り当てていて、基本的には窓席の人は窓席、通路席の人は通路席にするようにしています。
しかし大型機から小型機に変更の場合、窓席→通路席になったりする人も出てきてしまいます。
搭乗日当日などシステムで自動振替ができない場合は、係員が手動で1つ1つ席を割り振りする場合があります。
座席変更の振替順番がある
座席変更をする場合、優先順位があります。
1番優先されるのがVIP旅客で、次は航空会社のステータスがダイヤモンドの人です。
上級ステータスを持っている人は、なるべく予約の席と同じような席(前方窓席→前方窓席)にするようになっています。
その他にも車椅子に乗っているお客様など座席の配慮が必要なお客様は、優先的に元々の席と同じような席になるようアレンジしています。
座席変更のメールが届いたら確認すること
航空会社から座席変更のメールがきたら、どう行動したらいいのでしょうか。
当日になって、実は同行者と席が離れていた!など困らないためにも、事前に確認しておいたら良い事をあげました。
希望に近い他の席か確認する
まずは変更後の席を確認してください。
そして希望に近い座席ならそのままでいいですが、希望と異なった場合はシートマップを確認して変更できる席がないかチェックしてみましょう。
ANAの場合は、こちらに操作方法がのっています。
確認した段階で希望座席がない場合でも、JALは搭乗48時間前、ANAは搭乗前日の0時(一部運賃やANAカードを持っている人は、搭乗日2日前の12:00)に選べる席が増えます。
各航空会社のHPから新しい座席や空席を確認できますが、パソコンが苦手な方は各航空会社のお問い合わせ窓口に連絡をして確認してみてください。
私も、搭乗の2日前に確認して希望席に変更できました!
同行者と連席がどうか
一緒に飛行機に乗る人がいて隣同士の席を希望の場合、同行者の席を確認しておきましょう。
予約の取り方によって、席がバラバラになる可能性があります。
本人は特典航空券で予約、同行者は株主優待券で予約など、異なる予約の場合は、システムが同行者と認識できません。
その結果、席が離れてしまう可能性があります。
当日チェックインの時に席が離れていることに気が付いて、カウンターで手続きが長引くこともあります。
航空会社が勝手に席を変えたとはいえ、座席変更のメールが来た時は同行者と連席かどうかも確認してみてください。
まとめ:『座席変更がわかったら、まずは新しい席を確認してみる』
座席変更のメールが届いて、出発前日にもシートマップを確認したが、
それでも希望の席が空いていない場合は、搭乗当日にカウンターで聞いてみてください。
希望の席が空いていたら変更しますし、出来なかったら謝ります。
もうね、これは謝ることしかできません…。
ご要望に添えず、大変申し訳ございません
まれにあるのが、機内に入ってから
実はお連れ様と席が離れていることに気づいた!予約した席と違う!
こんな場合は、搭乗中でもCAにお声掛けして下さいね。
操作履歴を確認しつつ、最適な席をご提供できるように努力します!
- 勝手に指定していた座席が変更になる1番の原因は、機材変更に伴うもの
- 座席変更の振替は、システムが自動でしている
- 座席変更のメールが届いたら、同行者がいる場合は連席かどうか確認する
- 前日までに変更できない場合は、当日カウンターで確認する
航空会社のHPから直接飛行機の予約する場合、メールが届く設定をしてくださいね。
旅行会社経由で予約した場合、座席変更のメールが届かないことがあります。
座席が変更になっていないか心配な場合は、航空会社のHPに確認番号や予約番号を入力するとシートマップを予見ることができることもありますよ。
飛行機と言う狭い空間で、少しでも快適な空の旅ができますように!
飛行機に乗る時の参考に!