LCCを除き、3歳未満の赤ちゃんが国内線の飛行機に乗る際、膝の上で抱っこをするなら無料で搭乗できます。
こちらの記事にも赤ちゃん連れで飛行機に搭乗する際の豆知識や注意点など記載していますが、
今回は、お客様からの問い合わせが多い
『抱っこの赤ちゃんが隣同士の席を選ぶことができない理由』について説明していきます。
- 抱っこの赤ちゃんが隣同士に座れない理由
- 実は隣同士に座れることもある!?
この先、赤ちゃん連れで飛行機旅行を考えているご家族の参考になればと思います。
元グランドスタッフとして10年以上働いていた私が、丁寧にお答えします。
どうして抱っこの赤ちゃんは隣同士に座れないの?
飛行機で移動する際、家族とは近くに座りたいですよね。
特に小さな子供をお連れの家族は、機内で子供の世話もあるのでそばに座りたい。
隣同士に座れば、他の乗客にもそんなに迷惑をかけないで済むはず・・・。
でも、基本的に抱っこの赤ちゃん同士は隣に座れません。
今回は以下の家族構成で、飛行機に乗ることを想定して説明していきます。
2歳の娘と1歳の息子は、両親の膝の上に抱っこをして無償で飛行機に乗ります。
飛行機の予約は済んだので、次に座席指定をと思い隣同士の席を選んだが・・・
座席指定ができない!!
だったら機内で勝手に移動して隣同士に座るからいいやーと考えてもダメです。
CAに予約の席に座るよう注意されてしまいます。
ではなぜ、抱っこの赤ちゃんは隣同士に座れないのでしょうか?
理由は、機内の酸素マスクの数
理由はただ1つ!
機内の酸素マスクの数です。
機内の酸素マスクは、座席数+1つが基本設定です。
3席シートの場合、座席を使う人が3名座る可能性があるので、抱っこの赤ちゃんは必然的に1人だけしか座れません。
航空会社のHPにも、その旨記載があります。
座席列の酸素マスクの個数制限により、他の幼児連れの方と同じ座席列にはご着席いただけません。幼児連れのお客様が複数の場合は、前後の列または通路を挟んで並びの列の座席をお選びください。なお、幼児は指定された座席でお抱きください。
ANA HP
ではどうしたら良いのか
ANAのHPにも記載があるように、前後の席や通路を挟んで隣同士を選んでください。
グランドスタッフとして働いていた時の印象では、通路を挟んで隣同士にする家族が多かったですね。
実は隣同士に座れることもある!
機内の酸素マスクの数で、抱っこの赤ちゃんが隣同士に座れないことはご理解いただけましたか?
基本的には抱っこの赤ちゃん同士同じ座席列に座れません。
しかし実は一部の飛行機では、
抱っこの赤ちゃんを2人連れていても隣同士の席に座ることができるんです!
知って得する豆知識!
DHC8の場合
ANAと琉球エアコミューター(RAC)が運航している、プロペラ機のDHC8-Q400。
実はDHC8-Q400は、そもそも酸素マスクの搭載がありません!
つまり、
赤ちゃん連れが隣同士に座れます!
なんで機内に酸素マスクの搭載がないの?
簡単に説明しましょう!
国の規定では、25,000フィート(FL250)を超えて飛ぶ場合、機内に酸素マスクの搭載が必須になります。
しかし日本で運航しているDHC8-Q400は、構造上25,000フィート以上を飛ぶことができません。
そのため、機体には酸素マスクの設定がありません。
酸素マスクの搭載がなくても大丈夫なの?
コックピットには酸素マスクの搭載があります。
何かトラブルがあった場合、速やかに降下することができるので、乗客は低酸素症にならなくて済みます。
安心して乗ってください!
実際のANAの予約サイトでシートマップを確認してみたところ、赤ちゃん連れが隣同士で指定されていました。
JALの機材
JALの機材は、座席指定をする際に『幼児優先席』が明記されています。
幼児2名連れで座れる席がどの席かも、説明してくれています。
3歳未満(生後8日以上)のお子さまをお連れのお客さまは、安全上の理由により非常口座席をご利用いただけません。
3歳未満(生後8日以上)のお子さまを2名同伴で隣席をご希望の場合は「幼児2名連れの方」の優先席をご指定ください。
対象となる座席、ご利用運賃には制限がございます。
機材変更により、予告なしに座席が変更になる場合がございます。
JAL HP
この席は、あくまでも優先席なので赤ちゃんを連れていない人でも座席指定ができてしまいます。
しかし抱っこの赤ちゃん連れの家族が、隣同士の席に座れるのはありがたい!
抱っこの赤ちゃんを2名連れて飛行機に乗るなら、JALがいいね!
ANAの機材
DHC8-Q400以外のANA機で、機内の酸素マスク数が座席列数+2の場所があります。
- ベビーベッド装着可能席
- 一部の国際線用の機材
ANAでは国内線でも、ベビーベッドを使用することが可能です。
ベビーベッド装着可能席は酸素マスクが座席列数+2個搭載されている機種があります。
その場合、抱っこの赤ちゃんが隣同士に座れます。
また一部の国際線使用の機材でも、酸素マスクが座席列数+2個の搭載があります。
私が里帰り後、今住んでいる場所に帰る時に乗った飛行機は、ANAのB787-8(B8X)という普段は国際線に使用される機材でした。
私が事前座席指定をしたところ、同じ座席列に赤ちゃん連れが座っていました。
この席はベビーベッドを装着できる席ではないのに、なぜ抱っこの赤ちゃん同士が同じ列に指定できるか不思議でした。
ANAに確認したところ、この機材の後方席は予備酸素マスクが+2になっているそうです。
JALのように「幼児優先席」として明記されていないので、隣同士を希望の場合はANAの予約センターに問い合わせてください。
空いていれば、変更してもらうことが可能です。
まとめ:『機内の酸素マスクの数で、赤ちゃん同士が隣に座れるか決まる』
多くの座席は、予備酸素マスクが座席数+1なので、抱っこの赤ちゃん同士は隣に座れません。
しかし機種によっては抱っこの赤ちゃん同士が隣に座ることもできるのです。
- 機内の酸素マスクの数で、抱っこの赤ちゃんが隣同士に座れるか決まる
- DHC8-Q400は、そもそも酸素マスクの搭載がない→全席隣同士で指定可能!
- JALは「幼児優先席」と明記があるが、ANAは明記がない
抱っこの赤ちゃんを2名連れて飛行機に乗るのは大変です。
でもせっかくの飛行機旅行、機内でも家族で楽しく過ごしたいですよね。
あらかじめ隣同士に座れる席を指定できたら、少しは親の不安も解消するのでは?
是非、赤ちゃん連れ旅行の参考にしてくださいね。
Q400がなぜ酸素マスクの搭載がないのか初めて知りました!
これでお客様の問い合わせにも、すぐに答えられるわね!
子供連れ飛行機体験談