航空会社は、年に2回にダイヤ(スケジュール)を改正しています。
夏は「夏ダイヤ/サマーダイヤ」、冬は「冬ダイヤ/ウィンターダイヤ」と言われていて、この言葉は聞いたことがある人も多いのでは?
夏と冬では飛行時間が大きく変更になる便や最終便の時間が変更になることもあります。
サマーダイヤからウィンターダイヤに変更時、航空会社で働いている人間も慣れるまで時間がかかるんですよ。
- 飛行機のダイヤ(スケジュール)は誰が決めているのか?
- いつ航空会社のダイヤは確定するのか
- なぜ年2回改正するのか
今回はこの3つのことを中心にお伝えします。
この記事を読めば、いつスケジュールが決まるのか知ることができ旅行の計画を立てやすくなるかと思います。
今日は飛行機のダイヤについて語るわよ!
深く考えた事なかったので、この記事で勉強します!
航空機のダイヤは、誰が決めているの?
国際航空運送協会(以下、IATA)では、
- 3月の最後の日曜日から、10月の最後の土曜日までを「夏ダイヤ/サマーダイヤ」
- 10月の最後の日曜日から、3月の最後の土曜日までを「冬ダイヤ/ウィンターダイヤ」
と決めています。
これは世界共通です!
夏ダイヤが約7か月間あり、冬ダイヤより長いのが特徴です!
ダイヤを決めているのは、航空会社が加盟しているIATAです。
年2回、各航空会社のダイヤ担当が集まり会議をして決めています。
空港には離発着枠があるから、自由にダイヤを組めません。
その為、各航空会社は「今年のサマーダイヤはこれで行きたい!」と会議で発表して、IATAがOKを出したらその年のダイヤは確定するのです!
ダイヤの確定時期
毎年夏ダイヤは、1月下旬に決まります。
それまで航空券が買えないかと言うとそうではありません。
ダイヤが確定する前で、JALやANAなどは飛行機の予約が可能です。
JALやANA以外の航空会社の大半は、ダイヤ確定後に半年分売り出しをしています。
より詳しく言うと、JALは330日前、ANAは335日前から飛行機の予約を取ることができます。
しかし注意点があります。
ダイヤが決定した時に、出発や到着時刻が変わっている可能性があります。
予約した時は10時発だったが、ダイヤが決定した後に9時50分発に変更になったなどはよくあること。
国内線はそこまで大幅な変更はありませんが、海外の場合は発着枠取れず出発時刻が大幅に変わることもあります。
基本的にメール登録をしている人は、ダイヤが変わったらお知らせが行くようになっていますよ。
なぜ年2回ダイヤを改正するのか?
別に1年間同じダイヤでもいいじゃない?と思いませんか?
働いている側としても冬ダイヤ→夏ダイヤのタイミングとか、出発時刻が変わるから調子狂うんですよね。
しかも夏ダイヤの方が便数も増えるし、1年間同じダイヤでいいじゃん!と思うこともあります。
ではなぜ、年2回ダイヤを改正するのでしょう?
サマータイムの関係
理由の1つは欧米で導入されているサマータイムが関係しています。
サマータイムとは?
夏時間(なつじかん)またはサマータイム(英: summer time)、デイライト・セービング・タイム(米: daylight saving time (DST)、直訳: 日光節約時間(にっこうせつやくじかん)。カナダ、オーストラリアでも用いる)とは1年のうち夏を中心とする時期に太陽が出ている時間帯を有効に利用する目的で、標準時を1時間進める制度またはその進められた時刻のこと。
現在の主な実施国家・地域では実施期間が7~8か月間のため、1年の中で通常時間より夏時間の期間のほうが長くなる。
Wikipediaより引用
日本にはあまり馴染みがない「サマータイム」。
でも日本も1948年から1951年まで導入されていたんですよ。
だけど不評だったらしく、すぐに廃止されたみたいですけどね。
アジア圏は、今でもこのサマータイムを導入している国が少ないけれども、IATAにはサマーダイヤを導入している国の加盟国が多いです。
そのためサマータイムに合わせてダイヤを改正して、飛行機の出発、到着時刻の変更に調整をかけているのです。
上空の風
サマータイムの他にも理由があって、上空の風が大きく関係してきます。
冬になると「偏西風」という風が強く吹きます。
空気は気圧の高いところから低いところへ流れています。
赤道の方が気圧が高く、極の方が気圧が低い為、本来なら南から北に向かって風が吹いていると思いますよね?
でも地球は自転している為、風が曲げられて西よりの風が吹きます。
日本がある中緯度では、等高度線の間隔が狭くなっており「偏西風」は断続的に吹くと言われています。
冬は夏よりも気圧差がある為、「偏西風」が夏の倍以上吹いています。
もっと詳しく知りたい方は、個人的に調べて下さい!
実際にどのくらい違うのか?
上は夏ダイヤ、下は冬ダイヤです。
成田→ロス行は偏西風の影響で追い風になります。
その為、夏ダイヤも冬ダイヤも、所要時間が9時間40~45分くらいかかります。
でも復路は向かい風のため、所要時間が12時間近くになります。
注目して頂きたいのは、
飛行時間は同じなのにロスへの到着時間と、ロスを出発する時間が違うところ。
これはサマータイムの影響。
では、こちらはどうでしょう?
こちらも同じく上は夏ダイヤ、下は冬ダイヤです。
日本→デリー行きは、夏と冬で35分も所要時間が違うのです!
国内線はどうでしょうか?
国内線は、国際線程大きな影響はありません。
上の図は千歳⇔沖縄路線の冬ダイヤの例です。
往路は3時間55分、復路は3時間10分と45分も時間が違います!!
偏西風、恐るべしですね!
今は千歳沖縄間はピーチが運行してるね。
まとめ:『航空会社は、年2回ダイヤを変えて定時制を担保している』
私が国際線の手続きをしていたとき、乗り継ぎ先の航空会社のダイヤが変更されていて、対応に苦戦した思い出があります。
また国内線でも、夏ダイヤの方が10分早くなっていて、乗り遅れてしまった人もいましたね。
その人は出張で頻繁にその路線に乗っていて、今日から夏ダイヤだって忘れていたみたいです。
- 航空会社は年に2回ダイヤを改正している
- 発着枠に限りがあるので、会議でダイヤを決めている
- 改正時期は世界共通
- 改正理由は、サマーダイヤと偏西風
- JALやANAの航空券は約1年前から購入可能→ダイヤが改正されて時間が変わる可能性あり
グランドスタッフの中には、夏と冬のダイヤが変わることは知っていても、なぜ変わるのかを知らない人が多いと思います。
そして3月末と10月末に、飛行機に乗る場合はダイヤが変わっているかも!?と意識してくれたら嬉しいですね!
これで、私もお客様にご案内出来ます!
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