改めまして、グランドスタッフとして10年以上国内航空会社で勤務経験を持つ『よつ葉』と申します。
今回は妊娠中に飛行機に乗っていいのか、どんな対策をすればいいのかを
グランドスタッフ目線と、実際に妊娠中に飛行機を利用したお客様目線でお話しします。
私は働いている時に多くの妊娠中のお客様の手続きをしました。
そして実際に私自身も、2回ほど妊娠中に飛行機を利用した経験があります。
- 妊娠何週まで飛行機に乗れるのか(国内線)
- 機内や空港ではどんなサービスがあるのか
- どんな事前準備をしたらいいのか
- 妊娠中のお客様の事件簿
グランドスタッフを長くやっていたら、色々なお客様に出会います。
妊娠中でも特に普段と変わらないお客様も大勢いますが、中には飛行機の中で具合が悪くなったりする人もいます。
そんな妊娠中のお客様を対応した時のエピソードと、私が妊娠中に飛行機に乗った時の話もご紹介しています。
またここに書かれていることは、主に国内線のお話になります。
国際線は航空会社によって規定が異なる場合がありますので、搭乗する航空会社にご確認をお願いします。
妊娠中だけど、飛行機って乗れるのかな?と心配してこのブログにたどり着いたそこのあなた!私が疑問を解決しましょう!
妊娠したけど、飛行機に乗って大丈夫なの?
結論から言うと、妊娠しても飛行機に乗れます。
ただし!
国内線では、出産予定日の28日〜8日前までの場合は産婦人科による診断書の提出が必須です。
また、出産予定日が7日前になると診断書と一緒に医師の同伴も必要になります。
(一部LCCでは14日前から医師の同伴が必要だったりします。)
つまり臨月に入って飛行機に乗る場合は、面倒な手続きを踏まないといけないという事です。
里帰り出産をする際にも、遅くても妊娠34週までには里帰り先の産科を受診するケースが多いですよね?
なので臨月に入ってから飛行機に乗る人は、10年以上働いていた中で1度も出会ったことがありませんでしたね。
また医師と同伴で搭乗する妊婦さんは、病院の転院などでやむを得ない事情がない限り乗る人はいないはずです。
海外では稀に機内で子供を産んだ人の話を聞きますが、施設も揃っていない上に必ずしも産婦人科医が同じ飛行機に搭乗しているとは限りません。
そんな赤ちゃんにも母体にも良くない場所で産まれても、生存できる可能性だって保証はない。
そのため臨月に入ってしまったら、飛行機に乗るのはおすすめしません。
機内や空港ではどんなサービスがあるのか
私は、妊娠4カ月の時と妊娠9カ月の時に国内線の飛行機に乗りました。
両社ともサポートに大きな違いはありません
エアドゥやソラシドエアなどの地域密着型航空会社も、JALやANA同様に手厚いサービスを受けることが出来ますよ。
空港でのサービス
まずは空港では、どんなサポートをしてくれるかお伝えしますね。
その前に、妊娠中に飛行機に乗る場合は、空港の窓口で申告をお願いします。
何を聞かれるかと言うと、
出産予定日(又は今妊娠何か月なのか)・体調は大丈夫か
を伺います。
そしてその情報を、機内とゲート担当や到着地に引継ぎしています。
特にお腹が大きく目立つ場合は、グランドスタッフから予定日を聞かれることも!
私が妊娠9ヵ月で飛行機に乗った時、カウンターで予定日を申告したのにも関わらず、ゲートで同じ質問をされました。
カウンターの係員が、私の情報をきちんと引継ぎをしていなかったのでしょうね。
また同じ質問かよ~、引継ぎちゃんとしてよ~と思いました。
では妊娠中に飛行機に乗る際、空港ではどんなサポートがあるか簡単に説明します。
マタニティマークがもらえる
空港のカウンターで、『マタニティマークが欲しい』と申告をしたら、航空会社オリジナルのマタニティマークがもらえます。
基本的には妊娠中の人が飛行機に乗る際に差し上げています。
そして航空会社によっては、マタニティーマークを作っていない場合もありますのでご注意を!
荷物のサポート
妊娠中は重い荷物を極力持たない方がいいですよね。
一緒に搭乗する人がいればいいのですが、里帰り出産で1人で地元に帰る場合、多くの荷物を持って帰ると思います。
そんな時は出発の際に、「到着地で受託手荷物を受け取る際に、サポートをして欲しい」と伝えれば、到着地空港に引継ぎをしてくれます。
そして到着したら、係員が一緒に荷物の受け取りをしてくれます。
出発の際に伝えて下さいね
到着してから、手荷物の受け取りを手伝って~と言われても、人員不足の場合は即座に対応できない場合があります。
そのため、出発の際(チェックインする時や荷物預ける時)にグランドスタッフに伝えて下さい。
事前改札サービスができる
飛行機に乗る際、一般のお客様よりも先に飛行機に乗る事ができます。
もちろん、お連れ様と一緒に事前改札が出来ますよ。
機内でのサービス
子供用におもちゃを配っている航空会社に妊娠中に搭乗すると、
「お腹の赤ちゃんにどうぞ」
と、おもちゃを頂けることもあります。
実際に私がANA便に搭乗した時は、飛行機のおもちゃを頂きました。
しかしJALに乗った時は、何もお声掛けがありませんでした。
他の人のブログを見ると、子供用のタオルなどを頂いていました。
必ずしももらえる訳ではないので、もらえたらラッキー程度と思っていた方がいいですね。
また持ち込み手荷物のお手伝いも、希望があればしてくれますよ。
どんな事前準備をしたらいいのか
妊娠中に飛行機に乗るのは不安な方も多いかもしれませんが、事前に出来る事をして少しでも不安を払拭しましょう!
どんな事前準備をしたらいいでしょうか?
座席指定
航空券の予約をする際に、座席指定もしておきましょう。
妊娠中の場合は非常口座席は座れませんが、その他の席は制限がありません。
すぐトイレにいけるように通路側にしておくなど、体調に合わせた座席を選んでくださいね。
空港には気持ち早く到着する
ギリギリに空港に到着し、ゲートまで走ることになったら大変です。
妊娠後期になると、動くのも一苦労です。
そのため、出発の1時間前までには空港に着くようにしましょう。
悪阻対策をしっかりする
私は空腹時に気持ち悪くなるタイプだったので、お菓子とお水、ビニール袋を持ち込みました。
今般ブランケットの貸し出しをしない航空会社が増えているので、お腹が冷えないようにブランケットなどがあればいいですね。
また同じ姿勢が続くので、ゆったり目の服装や浮腫み対策グッズがあればなお良いでしょう。
そして、母子手帳と健康保険証は必ず機内に持ち込んでくださいね。
妊娠中のお客様の事件簿
私が働いていた時に遭遇した妊婦さんのお話と、私が妊娠中に搭乗した時のお話です。
妊娠中は本当に何が起こるか予測できないと、身を持って実感した出来事です。
悪阻でげっそりした女性
飛行中に航空無線で「体調不良のお客様がいる」と連絡がありました。
女友達と旅行で飛行機を利用した23歳の女性。
到着の際に車椅子を用意して対応しましたが、友人に理由を聞いたら妊娠中とのこと。
お腹がまだ目立っていなかったので、妊娠初期だったのでしょう。
前から旅行の計画をしていたので飛行機に乗ったらしいですが、機内の揺れで気持ち悪くなり嘔吐し、到着した段階ではぐったりした表情。
友人達も心配していましたが、どこかソワソワ。
なんでもこれから推しのライブに向かうらしく、「どうする?」と友人同士相談しあっていました。
病院を案内しましたが、結局空港内の椅子で少し休んでから考えると言われたので、私は業務に戻りました。
1時間後に様子を見に行ったら、彼女はまだ座っていました。
しかし友達の姿はありません。
話しかけてみたら、「落ち着いてきたので、予約したホテルに向かって休む」と仰り去って行きました。
友達は先にコンサート会場に向かったのかな?と思いましたが、聞けませんでした。
体調が優れない妊娠初期は、飛行機に乗らない方がいいですよ!
搭乗前に嘔吐
これは私の話です。
妊娠4カ月と安定期前に飛行機に乗る予定がありました。
私は目立った悪阻がなく妊娠中も動ける方だったので、夫と飛行機に乗り旅行をしました。
旅行中も特段問題なく過ごしました。
しかし帰りの飛行機に乗る寸前、事件が起こります。
なんと搭乗開始前に、トイレで嘔吐!
今まで悪阻で吐いたことがなかったのですが、こんな時に限って気持ち悪くなり嘔吐です。
しかも搭乗開始になり、このままだと飛行機に乗れないかもというプレッシャー!
なんとか最後の方に搭乗し、機内では吐かずにすみました。
ホント迷惑かけたと大反省。
原因は、空港内で朝食を食べた時に欲張った事と急いで食べた事!!
妊娠期間に吐いたのはこの1回のみ!
この時は、朝食を全部リバースするという痛い思い出です。
妊娠中は何があるか分からないので、油断禁物です!
まとめ:『妊娠中でも飛行機に乗れる!でも体調をよく考えて行動しよう』
夫婦2人で出産前に旅行を考えている人も多いと思います。
妊娠中でも飛行機に乗れますが、体調が不安な人はかかりつけ医に相談してから搭乗して下さい。
- 母子手帳と健康保険証は機内に持ち込む
- 各航空会社で妊娠中のサポートがあるので頼る
- 万が一のために、事前準備はしっかりする
- 体調が優れない時は、飛行機に乗らない
体調が大丈夫だと思っても、私みたいに何があるか分かりません!
万が一体調が悪く、飛行機に乗れない場合は空港のグランドスタッフに相談してくださいね。
手数料なしで便の変更などをしてくれる場合もあります。
妊娠中は自分一人の身体ではないことを忘れずに、事前準備をしっかりして楽しい旅行をして下さいね。
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