昔から「可愛い子には旅をさせよ!」と言われていますが、今の子供は習い事が多く忙しい日々を送っているのが現実です。
でも夏休みや冬休みになると、祖父母がいる田舎に連れて行ってあげたいと思いませんか?
一緒に行きたいけど仕事が休めない場合、子供だけで飛行機に乗って遠くに行くことが可能なんです。
子供が1人で飛行機に乗ることを「お子様一人旅」「ジュニアパイロット」などと呼ばれています。
利用してみたいけど、実際にどのようなサポートをしてくれるか事前に知っていると安心ですよね。
- 国内線のお子様一人旅について
- 500名以上のサポートを経験!グランドスタッフ目線での体験談
- 万が一トラブルが発生したらどうする?
10年以上空港で働いていてたくさんのお子様一人旅を見届けた経験がある筆者が、
お子様一人旅のサポートの仕方、実際に対応して印象に残っている出来事などご紹介します。
今年の長期休暇に子供だけで祖父母の家に遊びに行かせたい…など悩んでいるお父さん、お母さん!
この記事を読んで、不安が少しでも解消されますように。
私達にお任せください!
お子様一人旅とは?
お子様一人旅とは、
子供が航空会社のサポート付きで飛行機に単独搭乗が出来るサービスです。
夏休みや冬休みなど、学校が休みの時に利用するお子様がたくさんいます。
一便に10名以上一人旅をする子供が乗ることもありますよ!
一人旅の仲間多いと、親の立場としては安心ですよね。
具体的なサポートは、下記の通りです。
- 出発空港の有人カウンターでチェックイン後、所定の時間内に見送りの人と一緒に保安検査を受ける
- 搭乗口で見送り人とさようならをし、グランドスタッフと共に飛行機内へ
- 飛行機内ではCAがサポート
- 到着後は、最後に降機しグランドスタッフと共にお出迎えの人に会う
到着の際は、出発地で書いた書類にお出迎えの人の名前が書いてあるので、その人と同じかどうかも確認し署名をもらっています。
だいたいは祖父母や両親がお出迎えなので、間違って別の人に引き渡してしまった!ということは経験したことがありませんね。
各社共通の年齢の考え方
子供だけで飛行機に乗るには年齢制限があります。
- 5歳未満
-
単独搭乗不可
- 満6~7歳
-
基本的に各航空会社にネットや電話で、事前にサポートの申し込みをし、単独搭乗可能
- 8-11歳
-
ほとんどの航空会社は、事前に申し込みなしでも単独搭乗可能(必要に応じてサポートを申し込んでも可)
5歳未満の子供は単独での搭乗は不可なので、もう少し大きくなったら是非利用して下さい。
主に小学生を対象にしたサポートと考えてください。
多くの親御さんが、6~11歳の子供の単独搭乗の時はお子様一人旅のサポートを依頼してこられます。
小学校低学年なんて、目を離すとどこかに行ってしまうこともあります。
不安で仕方ないですが、CAとグランドスタッフが一緒に到着地までサポートしてくれると心強いですよね。
そして、12歳、13歳でも子供の単独搭乗は不安だわ…と思ったら、似たようなサポートをすることが出来るので安心してください。
搭乗口まで一緒に行けるようサポートをすることが可能です。
希望の場合は、チェックインの時に教えて下さいね!
20年以上前の話だけど、私の妹も中学1年の時にサポートしてもらいながら飛行機乗ったよ!
各社で呼びかたが違う
「お子様一人旅」と言いますが、もっと詳しく言うと各社で呼び方が違います。
航空会社 | 呼びかた |
---|---|
ANA、オリエンタルブリッジ | ジュニアパイロット |
JAL | キッズお出かけサポート |
AIR DO | エアドゥキッズ |
ソラシドエア | ソラシドキッズ |
スターフライヤー | リトル☆コメット |
フジドリームエアライン | キッズドリームサポート |
アイベックス | キッズフライト |
スプリングジャパン | ジュニアサポートサービス |
どう?お気に入りの名称はありましたか?
私はやっぱりジュニアパイロットが好きですね!
申し込み方法や当日の流れ
申し込み方法は、利用する航空会社のHPに詳しく書いてあります。
航空券を購入後に利用する航空会社の予約センターに連絡をしたり、Webでお子様一人旅の登録を済ませるなどの方法があります。
初めて利用するなど不安な場合は、予約センターに電話をし流れなど確認するのが良いかもしれませんね。
チェックインは、有人カウンターのみ
カウンターで書類の確認が必要なため、
自動チェックイン機を利用することが使用できません。
オンラインチェックインもできないようになっています。
スペシャルアシスタンスカウンターがある空港は、そちらで手続きをして下さい。
専用カウンターがない空港は、搭乗手続きが出来る有人カウンターに行ってください。
通常よりも時間がかかるし、夏休みは利用客が多いのでチェックイン待ちで並びます。
チェックイン操作は簡単なんですが、グランドスタッフからの説明や書類確認に、どうしても時間がかかります。
事前に利用する航空会社のHPから、用紙をダウンロードして当日持参してるとありがたいです。
書類を書いていない人は、その場で書いてもらうので更に時間がかかります。
早めに空港に来てくださいね!
保安検査を一緒に通る
お見送りする人は、子供と一緒に保安検査と通過する必要があります。
飛行機には乗りませんが、保安検査内に持ち込めないものは没収されてしまうことも。
また子供1人につき、原則大人1人です。
子供が1人なのに、両親共に保安検査場の中にはできません。
ハサミなどは検査場で持ち込めないので、気を付けよう!
見送ったら帰宅して良し
飛行機に乗ったら見送り人は帰る人も多いのですが、可能であれば飛行機が飛んでから空港を離れて欲しいなと思います。
最低でも飛行機の扉がしまり動き出すまでは、搭乗待合室内で待っていた方が安心です。
飛行機にお客様が乗った後に、突発的なトラブルが起こることもありますからね。
また空港を離れる前に、各社HPの運航状況を確認して無事に離陸したかをチェックしてもらえたらと思います。
別途料金は必要なの?
国内線の場合、子供用の航空券を購入していれば
別途サポート料は頂いていません。
事前に旅行会社やネットで航空券を購入してくるお子様が大半ですが、当日購入でも構いませんよ。
お子様一人旅のサポート談
私がお子様一人旅のサポートを通して、どの子供もたくましい背中で飛行機に乗っていくな~と感じていました。
毎度ドラマが生まれて、涙腺うるうるしてしまうことも!
その中でも、印象的なエピソードをご紹介しますね。
涙が!頑張って飛行機に乗った男の子
搭乗口で6歳の男の子の一人旅をお手伝いした時のこと。
その男の子は今回初めて1人で飛行機に乗って、おじいちゃんの家に行くとのこと。
お見送りは、お母様。
お子様一人旅は、一般のお客様よりも先に機内に入りったり、航空会社によっては事前改札と同タイミングでグランドスタッフと一緒に飛行機内に向かいます。
お子様一人旅を利用する方は、目印のバッチだったり書類が入ったホルダーを首から下げることになるので、事前に搭乗開始時刻のお声掛けをしていることが多いです。
「〇〇時に飛行機内へとご案内するので、それまでお手洗いやお買い物を済ましてね」など伝えています。
私がその男の子にファーストコンタクトをした際は、明るくてやんちゃな子だなと感じました。
お母さんの前でふざけて遊んでいるし、元気な子だなと。
そうこうしているうちに、機内に案内する時間になりました。
私は再度、男の子に声を掛けます。
一緒に搭乗口を通過し、機内までの通路を歩きます。
「ここでお別れだから、お母さんに行ってきますと手を振ろうか!」と私が伝えました。
その時です。
男の子の目には、今にもこぼれそうな涙がいっぱい。
急に淋しくなったのでしょうね。
でも振り返ってお母さまに手を振った後、涙をぬぐって前を向いて機内へと進みます。
私がこの子のサポートをした時間は、たった数分です。
でも、こうやって親離れして大人になっていくのかな?と感じる瞬間でしたね。
お母様にも、息子さんがコッソリと涙を拭いて機内に入って行ったことをお伝えしました。
どんな様子で飛行機に乗ったか見送りの人も知りたいだろうと思い、私がサポートする時はなるべくお子様の様子を伝えるようにしていました。
元気に飛行機に乗って行かれましたよ~、こんな話をしてくれましたよ~とか伝えていたよ。
心優しいお兄ちゃん
これは、私が到着担当だった時のこと。
一人旅の子供を、お出迎えの人までサポートする業務をしていました。
一般のお客様が全員降機したあとに、お子様一人旅の子供が降りてきます。
その時、CAから引継ぎをされました。
「機内販売で、ハンドクリームを買われています。自分のお小遣いからと言っていましたが、小学生にしては高額なので伝えておきます。」と。
私たちは、親御さんからお子様をお預かりしている立場です。
念のため、お迎えの人に伝えようと思いました。
その為一応その子にも
「機内でハンドクリーム買ったことを、お迎えの人に言ってもいいかな?」
と聞きました。
そしたらね「自分で言うよ!」って言われてしまいました。
確かに手に機内販売を持っているから、お迎えの人も「これ何?」ってなるので様子をみることに。
到着ロビーには、その子のお母さまと妹が待っていました。
そして、お迎えの人に会った時に
「これ、お母さんにプレゼント」って機内販売をあげたのです!
お母さんも「え?何これ?」っていう表情。
「機内で買ったんだよ。お母さんが使っているハンドクリーム売ってたから」って。
なに、この子、優しさの塊じゃないの!!!!!
どうしたらこんな優しい子供を育てられるのか伝授してもらえばよかったなと思いました。
将来、この子はモテますね
トラブルが発生!どうなるの?
トラブルに合った場合は、とても心配ですよね?
その時の状況にもよりますが、一例を紹介します。
到着地の天気が悪い!
到着地が悪天候の場合は、搭乗する時に条件があります。
- 羽田→千歳 千歳が雪のため、降りれない場合羽田に引き返す
- 羽田→千歳 千歳が雪のため、降りれない場合は函館に向かう
上記を例にお話しますが、①の場合は千歳空港と羽田空港にお迎えの人がいれば搭乗可能です。
この場合は羽田でお見送りをした人は、その飛行機が無事に千歳に到着するまで空港にいるか、引き返すと決まった段階で、すぐに羽田空港に来ることが出来ればOK。
引き返すとなったら、電話が入るよ!
②の場合は、千歳空港と函館空港にもお出迎えの人がいないと搭乗ができません!
つまり降りる可能性がある全ての空港に、親御さんがいないとダメなのです!
函館空港にもお出迎えの人がいます!って場合は搭乗可能です。
(航空会社によっては、搭乗を断られる可能性もあるので搭乗する際に確認をして下さいね)
ちなみに条件付きや欠航の場合は、そのままの運賃で次の便や翌日に変更可能ですよ。
到着時間にお迎えが間に合わない!
飛行機の到着ロビー付近には、下記のような看板があります。
グランドスタッフは飛行機を降りたあと、お子様と一緒に看板があるこの付近に向かいます。
お出迎えの人がこの看板付近にいない場合は、周辺を探します。
それでもいない場合は、お迎えの人に連絡をします。
ターミナルを間違えたなど、よくある話!
万が一大幅に遅れることが事前にわかる場合は、航空会社に連絡を入れておくか、お子様の携帯に連絡をいれて頂けたら安心です。
お出迎えの人が来るまで、事務所で待ってもらったり、グランドスタッフの目が届くような個室で待機してもらっています。
時間に余裕があるグランドスタッフが一緒に絵を書いたり、折り紙をして遊ぶこともあります。
まぁ最近の子は、ゲームをして待っていることが多いですね。
グランドスタッフは大切なお子様をお預かりしていると意識をして、全力でサポートをしていますよ!
まとめ:『機内で一人旅のお子様を見た時は、陰ながら応援しよう!』
どうでしたか?
旅って人を大きくさせますよね!
子供の「旅育の一環」として一人で乗る子供も増えてきています。
- 「お子様一人旅」とは、6歳~11歳のお子様が単独で飛行機に乗ること
- 各航空会社で呼び名が違う
- 学校が休みの時期は、単独搭乗のお子様が増える
- トラブル発生時は、親御さんに連絡を入れることも
乗継ぎをする上級者の一人旅の子供もいるんですよ!
乗り継ぎを希望の際は、できるだけ同じ航空会社を利用した方が安心です。
しかし物理的に無理な場合もあると思います。
その時は、事前に航空会社に相談してくださいね。
夏休みの昼頃の便は、一人で乗るお子様が多いですよ!
機内の座席は目の届きやすい通路側を推奨していますが、窓側でも全然ありです。
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